算数

教育で算数・数学を得意にするには~数学×教育~

皆さん、こんにちは!

塾講師を経験しておりました登録講師です。今日は子育てについて書いていきたいと思います。

数学が苦手!という方や子供が数学嫌いという方は多いのではないのでしょうか。

「思うように問題が解けない」とか「たくさん勉強したのにテストの点数が伸びなかった」など様々な経験があると思います。そんな方のために、本日お話したいことはまさに算数・数学の勉強法です。 どんなスポーツだってコツがあるように、どんなゲームだって攻略方があるように、数学にも得意になるための取り組み方があります。

確かに学校では成績を計るものはテストの点数で、テストにおいて求められるのは基本的に解答です。しかし、数学に取り組むときに大切なのは解がどうかではありません。 社会などの暗記型の科目では、キーワードを知っていれば点数を取ることが出来ます。しかし、数学では、「数学の問題が解ける≠答えを知っている」と言えます。数学が得意な人はこれから話す、数学に取り組む姿勢がしっかりとできているからなのです。

 

取り組む意識を変えれば数学に対する意識が変わってくるかもしれません。 どんなことでもそうですが、出来ると楽しいですからね。

子どもになってみよう。

突然ですが、子供の頃に車で出かけた時のことを思い出してみてください…

目的地に向かっている途中、皆さんは車の中で何をしていましたか?誰かとお話したり、お菓子を食べたり、ゲームをしたり、ひたすら寝たり…色々ありますよね。
目的地について、お買い物をして、遊んで思いっきり楽しむ!目的地が目的。その道中は気にならないことがほとんどだと思います。

ただ、少し大きくなって、恋人ができて、カワイイ彼女(カッコイイ彼氏)をその場所に連れていきたい!となったときに、「行ったことある」から迷うことなく行けるでしょうか?

調べることなく迷わず目的の場所へ行けるかどうかは道(行き方)を知っているかどうかです。つまり、一度行ったときにその道中で

「どの道を通ったのか」
「目印となる建物などは何だったのか」
「どのくらいかかったのか」

などを気にしていたならば、一人でもたどり着ける可能性は高くなります。実は算数・数学を勉強するうえではこの考え方がとても大切なのです!!

道のりが大切。

目的地(解答)がわかっていてもそこまでの道(解き方)がわかっていないと結局一人では問題は解けるようにならないのです。
様々な生徒に教えてきた中で、「とりあえず答えを知りたい!」という子はたくさんいました。 考えてもわからないから答えをすぐに見てしまう、ノート提出があるからとりあえず答えを写しておく…。ちなみに、私はいけないことだとは思いません。ただ、それで終わってしまうから中々解けるようにならないのではないでしょうか。

数学好きな私の知人も学生時代の勉強では、わからない問題があったらまず答えを見ていたと言っていました。得意だからといって、なんでもかんでも答えが出せるわけではないのです。
これはつまり目的地(解答)の確認ですね。そこから逆算して、どの道順で向かうのがわかりやすいのか(どうやって答えを導いたのか)、他に良い道はなさそうか(ほかの解法はないか)などを考えるのです。


そうやって道のりについて考える癖をつけておくと、類似問題と出会っても一人で解けるような力がついていくのです。

 

 

とある生徒が言った一言…

塾で教えていたころ中学生の女の子に言われたことがあります。

「先生は1から10のうちの3から6を教えてくれるから、数学を勉強していて楽しく感じる!」

それは教える時に強烈に意識していたことで、その子の発言があまりに的確すぎて、末恐ろしい子だとおもいました。でもこれはまさに今回の話の内容において重要なポイントになることでもあります。教えるのに1から10まで段階があったとして、1や2は解くうえで基本となるようなこと。ここを丁寧に説明されても飽きてしまう子が多いのです。近所だったら教えてもらわなくても道はある程度知っていますよね。案内されても「知っているし…」となってしまうわけです。逆に、7から10は解く方針が立って答えに向かっていく段階。つまり、目的地が見えるくらい近くまで来ればそこからは自分の力で近づいていくことが出来るということです。ここは時間がかかっても本人にやらせるべきです。快適なまま目的地に導いてはいけないと思います。
結局、教育が担っているのは3から6の「道」を教えてあげることなのです。一旦3から6は導いてあげて、次に1から10までやらせてみる。こうやって出来るようにさせてあげるときっとテンポ良く、楽しく勉強ができるのです。『考える力』を奪ってはいけないんです。

まとめ

この話は、当たり前のことを言っているように聞こえる方もいると思います。しかし、自身の勉強だけでなく、お子さんや生徒さんに勉強を教える時に意識してみるときっと数学が好きになっていってくれるはずです!
自身の勉強はもちろん、学校の授業もそういった視点で聞いてみると違った受け方ができるかもしれません。

数学が解けるのってすごく楽しいですよ!

ではまた次の記事でお会いしましょう。

スーパーのじゃんけんゲームはなぜ負ける?~数学×あそび~


大人なら昔、誰でもやったことがあるであろう、スーパーやゲーセンなどにあるじゃんけんゲーム。勝てばコインをもらえるというルールでとても単純ですがはまってしまうゲーム機で子供に大人気でした。
じゃんけんゲームはあいこの場合はゲームが続くため「勝ち」か「負け」しか存在しません。勝てばルーレットが周り出た数字の枚数だけコインがもらえます。一方負けたら入れたコインが没収されます。マシンによりますが、勝てば最大50枚のコインがもらえるなんて言うものもあります。しかしなぜかみんな最終的にコインは0になってしまいます。

色々なマシンがありますが、よく街で見るマシンについて解説します。勝ちの場合の配当ですが、

1枚が2つ
2枚が4つ
4枚が2つ
7枚が2つ
16枚が1つ
50枚が1つ

の計6種類(12ゾーン)。上記でも示したようにあいこだとゲームが続くので結果は「勝ち」か「負け」しかありません。ルーレットの止まる確率が均等だとしたら勝った時にコインがもらえる期待値は

より、8.17枚が期待収益として得られます。普通のギャンブルだと胴元が必ず儲かるように調整しているので、勝率がもし50%だとすると配当は2倍より小さくなるように調整しています。
配当を2倍より小さくしておけば、胴元の期待収益がプラスになるからです。

しかし、じゃんけんゲームの場合だと8.17倍という常識では考えられないくらい大きな数値が出ます。
これが現金での配当ならみんな億万長者になってしまうことでしょう。しかし、じゃんけんゲームの場合最終的にみんなコインが0になります。なぜでしょうか。
それは下記の4つのことが考えられます。

  • ルーレットの出る目が均等ではない
  • 勝率が1/2ではない
  • 確率階層を含むゲーム
  • 0枚になるまでやめない

ルーレットの出る目が均等ではない

ルーレットはダーツの的のように等しい角度で分割されていますが確率は均等かどうかは怪しいのです!
つまり12個の的がありますがそれぞれの確率が1/12ではない可能性があります。
12勝しても50が出ないということがよくあると言えるでしょう。じゃんけんに買っても勝っても配当が1枚や2枚ばっかりだと配当の平均値は減ります。

勝率が1/2ではない

果たしてじゃんけんの勝率は1/2なのでしょうか?こちらがボタンを押さなければ

じゃ~んケーン

じゃ~んケーン

と、こちらが手を出すのを求めてきます。つまり完全なランダムではなくて”ある一定の確率でじゃんけんゲームが負けてくれている”と考えることができそうです。

確率階層を含むゲーム

そして一番大きい理由がこれです。スマートフォンのゲームでもよくあるのが関門がいくつかあって、それらを抜けるためには確率pの勝負に勝たなければいけず、更に次の関門では確率qの確率で勝たなければいけないというような階層構造で、結果的に一つ一つの確率は勝てそうでもすべての関門を抜けるためには、p×qの確率になってしまい非常に小さくなってしまうというミソです。
先程、期待値を8.17と導出しましたが、実はあくまでじゃんけんに勝ったもとでの期待値です。なので厳密には8.17×1/2=4.085(仮に1/2とします!!)となっているのです。
巷を騒がせたレアガチャ問題もその一つということが出来ると思います。

0枚になるまでやめない

投資戦略の話にもなりますが、仮に勝率1/2で確率的試行を行っている場合、いつかは0になってしまいます。
→ファイナンス数学におけるブラウン運動

例えば「100枚たまったらやめる」というルールを作れば達成する人は多いでしょう。しかし、じゃんけんゲームのコインはそこでしか使えないため全部そこにつぎ込むのです。
結果的に0枚になるまでやり続けることになってしまい、最終的に0枚になる仕組みになっているのです!

まとめ

簡単なゲームの中にも確率が潜んでいる…ことはもう知っていたと思いますが。大切なのは、”簡単な確率”の裏に潜む”難解な確率”を意識しておくことですね。

そして、ギャンブルは勝ったらやめましょう!!