高校数学
著者: 和田秀樹
出版社: ブックマン社
数学好きの方なら眉をしかめそうなタイトルですが、タイトルに反射的に反応せずに冷静さを保って読め ば学習のヒントが沢山得られる本。とくに、数学の成績で伸び悩んでいる受験生、及び数学は(丸)暗記だと考えている受験生は一読の価値あり。本書の推奨する「解法パターン の暗記」は公式や解法を「歴史年表のように字句として暗記する(=丸暗記する) 」ことではなく、良問の演習を通して「解法の構造」を抽象化して記憶するという真っ当な方法です。本書が、本書を必要とする読者にどの程度誤解なく真意を伝えられているかは分かりませんが…まずは先入観なくページを開いてみてください。数学好きな方にとっては、逆に「そうそう」と頷く箇所も多いと思います。
経済学
著者: R.アクセルロッド
出版社: ミネルヴァ書房
ゲーム理論を応用した人間関係の考察に関する記念碑的1冊。舞台は 1980 年代。数学で博士号を取得し た政治学者アクセルロッドは、ゲーム理論の専門家等 14名に呼びかけ、ゲーム理論戦略のコンピュータアルゴリズム選手権を実施しました。参加者は各自、対戦相手に対する「協調」と「裏切」を選択するアルゴリズムを設計し、全ての局面が終了した時点での利得の多い方が勝者となるというルールのもとでコンテストは行われています。また、「協調」と「裏切」の組み合わせの中で与えられる利得表は、いわゆる「囚人のジレンマ」状況(相手が「協調」の時に、自分が「裏切る」ことが最も利得が多い状況)に設定されました。さて、優勝したのはどのようなアルゴリズムだったのでしょうか。ネタバレ(と言うほどでもありませんが…結論は序盤で明かされるので)は控えたいと思うのですが、結論が気になる方は是非本書をご覧ください。