著者: 瀬山士郎
出版社: 日本評論社
シャーロック・ホームズが数学に造詣が深かかったことは、ホームズファンの方なら皆さんご存知だと思いますが、本書はそんなホームズが数学的知識をフル活用して事件を解く(宿敵モリアーティと闘う)本邦発の「数学探偵小説」です。「トポロジー」の解説をさせたら右に出るものはいないと言われる瀬山先生の筆だけあって、小説の筋も面白く かつ 数学的解説も分かり易い というちょっと信じがたいクオリティになっています。主題となる数学は「バナッハータルスキのパラドックス」です。このパラドックスがどのように小説の中で現れるかは読んでからのお楽しみとして、「バナッハータルスキのパラドックス」の直感的な説明を求める読者 と 全ての数学小説ファンにお薦めします。