イプシロン-デルタ
著者:田島一郎
出版社: 共立出版
数学科の場合、大学新入生泣かせの圧倒的第一位と言えば「イプシロン-デルタ論法」でしょう。高校数 学にはなかった ∀ や ∃ を多用した論証に涙した経験は、数学科卒の「あるある」の1つです。一方で、 イプシロン-デルタ論法の効用もまた、数学科ならば誰もが疑わないでしょう。イプシロン‐デルタ論法に よってはじめて極限は厳密に定義され、解析学(関数空間)は豊穣な世界となりました。イプシロン-デ ルタ論法の「難しさ」はそのままイプシロン-デルタ論法の「ありがたさ」でもあるのです。さて本書 は、そんなイプシロン-デルタ論法を(初学者にとって)本邦一分かりやすく解説したテキストの1つと 言えます。小冊子と侮るなかれ。イプシロン-デルタに傷を持つ方、これから大学数学の世界に入る方 は、本書こそが福音となるでしょう
数IA・IIB・IIICがこの1冊でいっきにわかる もう一度 高校数学
好きになる数学入門〈1〉~〈6〉
著者: 宇沢 弘文
出版社: 岩波書店
数学の学習をしていると「これまでバラバラに感じていた概念が統一的に結びつき急に視野が開ける」ということがよくあります。小学校で習った「〇〇算(鶴亀算やニュートン算)」が、中学に進学すると「1次方程式の問題」という統一的視点から見られるようになって衝撃を受けた、という経験を持つ方も多いでしょう。本書はそんな経験が随所で出来るちょっと信じられない本です。はじまりは中学数学で も、統一的視点の感動に身をまかせて読み進めると、いつの間にか大学教養課程の微積・線形代数まで到達しています。野心的な中学・高校生。これから数学の学び直しを始めようとしている社会人の方にお薦めです。※画像は〈1〉のみ
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