データ解析のための統計モデリング入門

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著者 : 久保拓弥
出版社 : 岩波書店

本書では、「検定して『ゆーい差』をだせばいいんだ」といった立場に非常に批判的な立場で論を進めている。カバーする範囲は広く、ポアソン分布から階層ベイズモデルまでである。そのため、ある特定のレベルの読者を想定した類書とは異なり、説明内容は中級レベルから上級レベルまで多岐に亘っている。数式は多く出てくるものの、著者の丁寧な説明もあるため、数学が苦手であっても(努力すれば)読み進めることが可能なレベルであった。一方で、説明不足で「決めつけ」による批判とも見えるような箇所がある(例えば、割り算モデルに対する批判があるが、その理由については記述が少ない)。