ベイズ統計

実践的メタ分析入門

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著者 : 岡田涼、小野寺孝義
出版社 : ナカニシヤ出版

著者らは、いずれも心理学・教育学の専門家である。これらの学問分野では、「1つの研究結果だけでこんなことをいっていいのか?」という疑問が生じ易く、研究の再現性に注意を払わなければならない。本書では、このような疑問や課題に答えるための手法としてメタ分析を解説している。カバーしている範囲は広く、文献検索の方法から始まり構造方程式モデリングやベイズ統計を用いるアプローチ、ネットワークメタ分析といった応用的な手法までを解説している。統計解析ソフトStataでの実例もあるが、有償ソフトであるため、誰しもすぐにメタ分析を始められるわけではない。しかし、Stataユーザにとっては、唯一日本語でメタ分析の手法を解析した書籍となる。

なぜベイズを使わないのか!?

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著者 : 手良向聡
出版社 : 金芳堂

著者の手良向先生は京都府立大学の生物統計学教授である。本書の第1部では、臨床研究において、従来の頻度流統計学の利点と限界点を説明している。第2部では、この限界点を打破するための手段として、ベイズ統計学を紹介している。類書に比べて実際の臨床研究を例とした解説が多く、少ないサンプルサイズの臨床研究であってもベイズ統計学が威力を発揮することが理解できる。しかし、ベイズ統計学を理解する上で重要なベイズの定理や事前分布・事後分布の説明は少なく、ベイズ統計学の初学者が読破するには難しいと感じるだろう。本書は、ある程度のベイズ統計学の知識がある中級者以上が、臨床研究に役立てようとする時に一読の価値がある。

数理統計学ハンドブック

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著者 : Robert V.Hogg
出版社 : 朝倉書店

朝倉書店の出版している「ハンドブック・シリーズ」の数理統計学編で、欧米の大学院でよく使われている ” Introduction to Mathematical Statistics ”というテキストの翻訳本です。全766ページの中で 確率の公理からはじまり一般線形モデル、ノンパラメトリック解析、ベイズ統計までを網羅的に扱っています。基礎内容から丁寧に記載されている”全部盛り”テキストなので、一度数理統計学を学んだことがある方のレファランス本としてはもちろん、これから数理統計学を学ぼうとしている方にとっても非常に有用なテキストだと思います。大学生や大学院生の方は長期休みに”一気読み”すると今後の研究で末永く役立つ財産となるでしょう。