経済学

経済のための線型数学

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著者: 二階堂副包
出版社: 培風館

本書は主として経済学で使われることの多い線形代数の知識をコンパクトにまとめたテキストです。線形代数のテキストと言うと、行列計算から行列式、二次形式の理論を通ってジョルダン標準形まで というコースがイメージされるかもしれませんが、本書の通底を成すのは Frobeniusの定理と呼ばれる非負行列についての定理です。大学教養課程で線形代数を終えてしまうと、線形代数は単なる道具になってしま うことが多いものですが、上述の Frobeniusの定理や、Stiemke-Tucker の定理、線形不等式系の理論等、大学教養課程を越えたところにこそ線形代数の美しい体系がまっています。難易度としても(経済学のテキストにありがちな)理系を薄めた曖昧な仕様には全くなっておらず、読み応えのある楽しいテキストですので、経済専攻の方はもちろん、線形代数にいまいち「ノレない」理系学生や、線形代数を深めたい全ての方にお薦めします。

つきあい方の科学―バクテリアから国際関係まで

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著者: R.アクセルロッド
出版社: ミネルヴァ書房

ゲーム理論を応用した人間関係の考察に関する記念碑的1冊。舞台は 1980 年代。数学で博士号を取得し た政治学者アクセルロッドは、ゲーム理論の専門家等 14名に呼びかけ、ゲーム理論戦略のコンピュータアルゴリズム選手権を実施しました。参加者は各自、対戦相手に対する「協調」と「裏切」を選択するアルゴリズムを設計し、全ての局面が終了した時点での利得の多い方が勝者となるというルールのもとでコンテストは行われています。また、「協調」と「裏切」の組み合わせの中で与えられる利得表は、いわゆる「囚人のジレンマ」状況(相手が「協調」の時に、自分が「裏切る」ことが最も利得が多い状況)に設定されました。さて、優勝したのはどのようなアルゴリズムだったのでしょうか。ネタバレ(と言うほどでもありませんが…結論は序盤で明かされるので)は控えたいと思うのですが、結論が気になる方は是非本書をご覧ください。

計量経済学序説

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著者: ウォナコット
出版社: 現代数学社

これから計量経済学をはじめる方にお薦めのテキストです。計量経済学の各重要概念に対して(ある程度)厳密な証明と幾何学的なイメージが与えられていて、直感的説明と理論的説明のバランスがとても優れています。高校数学で習った「ベクトル」が多変量解析の世界でいかに有用かを実感いただけるでしょう。

権力の予期理論

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著者: 宮台真司
出版社: 勁草書房

90 年代に「ブルセラ社会学者」として颯爽とメディアに登場し、近年でも活躍・発言の場の絶えない社会学者、宮台真司の博士論文を刊行したものが本書です。「ブルセラ」の記憶が強い方には意外かもしれませが、本書は「権力」という概念を「ゲーム理論」を用いて定式化した純理論書となります。内容自体 も非常に興味深く かつ 社会学と数学の接点となる珍しいテキストですので、数学の応用やゲーム理論の応用について知りたい数学ファンの方にお薦めします。

ブラック・ショールズ微分方程式

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著者: 石村貞夫・石村園子
出版社: 東京図書

ブラックショールズ方程式とは、デリバティブの価格づけに現れる偏微分方程式のことです。石村シリーズの特徴として、ゆっくり丁寧にのせているところが挙げられますが御多分に洩れず本書も高校レベルの数学からはじまり非常に高度な微分方程式の導出と解法にいたるまで、一つ一つわかりやすく伝えてくれます。また、最短でブラックショールズ方程式を数学的に学べる本は本書以外ないといってもいいくらい洗練された参考書になっています。

道具としてのファイナンス 

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著者: 石野雄一
出版社: 日本実業出版

ファイナンスの理論と実践の両方の側面から学べ、初心者が独学で利用するにははまさにうってつけの書。理論は難しい数式表現をなるべく抑えていて、文章や事例を多く用いて書かれており、また実践についてはエクセルシートをもとに解説されている部分も多いことから、業務にに必ずつなげられます。数学の難しい式は苦手だけどどうなっているのか理論を知りたいという方向けです。